離党
[2011.12.28]
既に報道が先行しておりますが、本日民主党離党を決断し、先ほど樽床幹事長代行に離党届を提出してきました。
これまで支えていただいた関係者に充分な説明ができていない状況での決断になりますが、長い時間真剣に考え、初志に立ち帰っての決断です。
離党にあたり、野田代表宛てに提出した文章をもって決断に当ってのご説明といたします。
平成23年12月27日
民主党代表 野田 佳彦 殿
民主党千葉県第12区総支部総支部長
衆議院議員 中後淳
このたび民主党を離党するにあたり、離党の決断に至る経緯と、現在の民主党に対する思いについて、野田佳彦代表と党執行部の皆様に、感謝と激励を兼ねて、以下に申し述べさせていただきます。
平成20年2月、当時参議院議員であった青木愛先生から富津市議会議員として活動していた私にお声かけいただき、千葉県第12区の民主党衆議院議員公認候補として内定をいただいてから、ここまで私を引き上げていただいたことに、まずもって心から感謝申し上げます。
約1年半の総選挙へ向けての活動、そして衆議院議員としての2年余の活動の中で、小沢一郎先生には筆舌に尽くし難いご指導をいただいてきました。
また、野田佳彦代表には公認候補として活動している当時から、民主党千葉県総支部連合会の先輩としてご指導いただき、また、何度となく私の選挙区に応援に駆け付け、総選挙へ向けてのお力添えをいただきました。
民主党の諸先輩の皆様、同期の皆様も、言うまでもなく、右も左も分からぬ私をご指導いただいたことに関して、改めて心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
私は、市議会議員に初当選させていただいた平成12年以来、民主党の公認候補として内定するまでの間、自由民主党系無所属の市議会議員として活動しておりました。
しかしながら、小泉内閣が誕生した平成13年以降、米国追従型の新自由主義が蔓延する中で、さまざまな政策が実施され、地域間格差、所得格差、世代間格差が広がるのを目の当たりにし、この路線、「競争と個」を尊重する弱肉強食偏重の路線では日本の繁栄は望めないという思いを強くするとともに、「国民の生活が第一」を標榜していた民主党に、「協和と公」を尊重する日本本来の底力を引き出す大きな流れを感じ、また期待を寄せて、民主党の衆議院候補として大きく方向転換いたしました。
しかしながら、鳩山総理、小沢幹事長が退陣した菅内閣以降、民主党は政権交代時の理念を忘れ、大きく変わってしまったと言わざるをえません。
特に、TPP交渉参加の協議に至る過程、郵政民営化法案の取り扱い、復興増税を決定する過程、社会保障と税の一体改革における消費税の増税議論では、政治主導や地域主権改革といった、総選挙時に高らかに謳っていた方針も、すっかり影をひそめてしまい、官僚主導による小泉竹中構造改革路線、新自由主義路線、緊縮財政による財政再建路線に変更、回帰するどころか、更にその路線の色が強くなっている印象さえあります。
また、東日本大震災及び、福島第一原子力発電所の事故への対応の遅れや、各施策に対する政治決断に至る経緯を見る限り、民主党内の路線の変更が党内不和を引き起こし大きな影響を与えている側面も否定できない事実だと認識しています。この路線変更による党内不和が被災地の皆さん、及び日本国民に与えた実害は計り知れないものがあり、真摯に反省すべきであります。
特に、千年に一度といわれる大津波で壊滅的な被害を受けた被災地の復興財源について、現役の世代で負担するという考え方を採用したことにより、財源手当てに徒に時間を浪費し、復旧・復興に大きな遅延を招いたこと、国家非常事態とも言える原子力発電所の事故について、一民間企業である東京電力を事故対応と損害賠償の当事者として位置付けたこと、更には、ようやく応急的な対処が完了した段階で冷温停止状態宣言だけでなく事故収束宣言まで合わせて発表したこと、年内に素案決定を目指している消費税増税の議論、マニフェストに謳った八ッ場ダムの建設再開方針など、これから方針転換が可能な事項も合わせ、枚挙に暇がありません。ぜひもう一度原点に戻り、再出発していただくことを切に願います。
政権交代時の民主党への期待は、これまでの官僚主導の政治を改め、国民に選ばれた政治家主導により、これまでの利権やしがらみでがんじがらめになって身動きの取れない既定路線から方向転換し、大きく仕切り直しすることで、「国民の生活が第一」の理念を実現することにあったはずです。
この理念・想いを忘れては民主党に将来はないものと断言します。そして、このように考える民主党所属議員は私だけでありません。
しかしながら、まだまだ諦めずに党内を政権交代時の路線に戻そうと必死に頑張っている同志も数多くおり、また、政権交代に期待した国民のためにも政権与党としての責任を果たさなければならないという見えない力のなかで、身動きができずに自己矛盾の葛藤に悩んでいる同志も少なからずいるように感じています。
現在、民主党は分裂の危機に瀕しています。これは民主党の危機に止まらず、日本全体の危機を象徴していると思います。
この流れをどう改め、日本が希望と活力を取り戻すには何をすべきか、様々な思いを巡らせたなかで、私は、民主党内の議論の中で政権交代時の路線に戻すことは難しいという結論に達しました。
もちろん、民主党の自浄作用に期待し、党内で力を尽くすという考えもありますが、それだけでは既に戻れないところまで来ていると考えての結論です。
そうであれば、一期生の身でありながら思い上がりと捉えられるのを覚悟の上で、党外から民主党の路線を変えるために力を尽くす勢力が必要であるという思いに達し、離党を決意致しました。
私が民主党に期待して衆議院議員を目指した当時の原点である「国民の生活が第一」の政策を実現するために、党外から現在の民主党政権に対し、提言することこそ、私の使命と考えての決断です。
民主主義、資本主義・自由主義を前提とした日本が、厳しい国際競争の中で幸せを実感できる生活と、誇りを取り戻すためには、社会全体の底上げを基礎とした「協和と公」を尊重する政治が必要であり、そのためには日本国民が自由を謳歌するための規律、「自由と規律」の調和が必要と考えます。
「協和と公」を尊重し「自由と規律」の調和を実現できる日本こそ、成熟と成長を両立し、国際社会のなかでも競争力を保ちながら、欧米諸国に負けない存在感のある国になれるというのが、私の国政に対する理念です。
私は民主党を離れますが、ぜひとも、日本国民が政権交代時に民主党に期待した想いに応えられるよう、党の進むべき路線と、それを実現する党運営のあり方を見直し、東日本大震災の復旧・復興と、福島第一原子力発電所の事故収束、そして予てからの課題である少子高齢化とデフレ・円高問題等に万全を期して臨んでいただくことを望み、甚だ生意気ながら離党に際しての提言とさせていただきます。
以上